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【7.27「ZEH推進協議会」キックオフセミナー】

どっちかというと、ZEHにはニュートラルというのが、
多くのユーザーや作り手の平均的なところではないかと思います。
ただし国の「住宅施策」としては、IBEC・村上理事長が冒頭で言われたように
「ここまではたいへんうまくいっている」という認識だろうと思われます。
多くの地域工務店はまだ様子見をしているけれど、
大手ハウスメーカーでは積極的に対応している企業もあり、
総数として一定の市場規模を獲得できているという意味では、
滑り出しとしては順調な施策であるということは言えるのでしょう。
とくにこの施策では従来の国交省だけではなく、経産省が大きく関与して、
ZEHビルダー登録という枠をはめていることがポイント。
いろいろな条件を付けて「業界誘導」のテコにしようとしてきている。
こういう手法は、エコカーとかの業界誘導実績を持った経産省の知恵かと。
ただしそれは大きくは当初125万円、ことしは一律で75万円とされる
補助金というアメのもたらす効果であり、
これから本格的にユーザー側、市場からのふるいが掛かってくるのでしょう。
「それはわたしたちをシアワセにしてくれるのか?」が問われてくる。

7月27日の「ZEH推進協議会講演会」には、250名定員のところ、
400名を超える申込みがあったということで、その関心の高さは見えた。
会場でもあちこちに知り合いの姿が見られ、北海道からも数名の参加。
講演会進行は、IBECの村上理事長が6分ほど冒頭挨拶され、
その後、順に国交省、経産省、環境省の各担当者が20分ずつ講演。
休憩を挟んだ後、協議会の顧問の芝浦工大・秋元、東京理科大・植田、
早稲田大・田辺の各先生がそれぞれ十数分の講演。で、小山代表理事の
工務店の立場からの講演があったあと、パネルディスカッションへ。
・・・というような進行形式で進められていました。
非常に盛りだくさんで、取材内容をおおまかに整理するだけで1日かかった(笑)。
なのでまぁ徐々に内容について触れていきたいと考えます。

この形式スタイルそれ自体が、この動きの総体をはしなくも表現している。
ひとことでいえば、国による業界指導という姿がクッキリ浮かび上がる。
ユーザー側、あるいは作り手側発想がなかなか明瞭に見えてこない。
からくも写真のような基本認識を、協議会としては持っていることが伝わった。
また、早大・田辺教授のコトバに「作り手側は、採用する工法や材料選択について
それが長期の市場条件に適合するかどうか、非常に慎重」とあった。
まったくその通りだと思います。
温暖地ではまだしも、とくに寒冷地ではどうしても設備機器よりも
「断熱仕様」の方がはるかに長期的メリットをユーザーにもたらすというのが
作り手の共通認識であり、ZEHの必要条件としての設備に対して
コスト配分で、より慎重な姿勢になっていることは自然だと思われます。
小山代表も、自社の方針としてZEHを表面には出していないとされていた。
また、これだけの規模の業界人が集まっているのだから、
一般質疑、会場参加者との意見交換なども企画すべきだったのでは?
たしかに盛りだくさんの内容でバランスにも配慮することは分かるけれど、
せっかくZEH推進のそれこそ中心的な主体者が集まっている中で、
残念ながら「お上からの指令伝達」的な運営のきらいを感じた次第。
結局ユーザーと向き合う主体者は、全国の現場のビルダー。
協議会の中心はそういった作り手のホンネに突き刺さっていく必要があるし、
さらには、ユーザー心理にも「刺さる」ものでなければならない。
「地球にいいことを進めているんだ」意識が押しつけに繋がってはいけない。
ZEHがより「民主的」なカタチになっていくことを祈念します。

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